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KPIから紐解く金融庁の考えとは?

皆さんは、金融庁から、こちらの指標が発表されたのはご存知でしょうか❓

外貨建て保険の販売会社における比較可能な共通KPI(金融庁)
外貨建保険の販売会社における比較可能な共通KPIについて:金融庁 (fsa.go.jp)
この資料に対して少し解説をしていきたいと思います。

保険以前に、共通KPIは始まってます。
まず、共通KPIって何かって思われるかも知れませんが、冒頭ページには、共通KPI(KeyPerfоrmanceIndicatоr)=顧客本位の業務運営を、客観的に評価できるようにするための、成果指標と定義されています。
要は、顧客本位って掛け声は良いけれど、実際のところは、どこまで顧客本位で出来ているのかっていう疑問に対して、ここまで出来ていますよと、示すことができる指標のことなんですね。
実際には、ここまで出来ていますよと言う数字が出てくるというよりは、他者や他商品との、相対評価という形で出てきます。
元々、この共通KPIは、投資信託から始まったわけですが、今回、外貨建て保険にも適用できる形で進化をしたわけなんですね。
これが、今回の概略なんです。

外貨建て保険の共通KPIって、どのようなものなのか❓
百聞は一見にしかず、と言いますから、実際に見て頂くのが早いと思います。
金融庁の資料なら、こちらが分かりやすいですね。

共通KPIは2種類あって、それぞれ、1.運用評価別顧客比率と、2.銘柄別コスト・リターンです。
例えば、1.の運用評価別顧客比率なら、上の資料、PDF内のP4の、左側のグラフが参考になりますね。
これを見ると、0〜+10%未満の利益を得ている顧客は、全体の38%いて、60%の顧客がプラス利益となっています。
どれぐらいの割合の顧客が、どの程度利益を得ているかが、一目瞭然で分かりますよね。

具体的な数字の是非はともかく、こう言うことがパッと見て分かるのが、この、共通KPIの特長なのです。
で、この図は、業界全体でのグラフなので、あっそうなんだねって言う感じではありますが、これが、会社ごとのグラフになって比較をされたらどうでしょうか。
ちょっと、怪しい感じになっていくのではないでしょうか❓

相対評価が引き起こす終わりのない競争
共通KPIは、絶対評価ではなく、相対評価というところが味噌だと、私たちは思っています。
つまり、各社ごとの共通KPIや、各商品ごとの共通KPIも算出できて、それを一つのグラフで重ねれば、容易に比較が可能になります。
実際、投資信託では、既に様々な比較が行われているんですね。

どの金融業者が、どれ位の顧客に対して利益を与えているかとか、ランキングになっているんです。
まぁそれが、今後、外貨建て保険でも可能になるってことなんですね。
ただ、思うに外貨建て保険だけでは終わらないでしょうということなんです。

例えば、変額保険が来そうですしね。
変額保険となれば、もしかすると、投資信託との比較も、可能にしてくるかもしれないです。
そうなってきた時に、自信を持って、顧客に商品を勧められますか❓

さらに、相対評価の場合、ここまで出来れば良いという限界がないんですね。
他社が、より良くなれば、相対的に地位が低下します。
なので、基本は終わりのない戦いになります。
保険会社同士の戦いだから、自分は関係ない訳ではないですよ。
当然、コスト削減の圧力がかかりますから、そのシワ寄せは、現場にも届くでしょう。
さらに、競争が熾烈になる方向に向かうでしょう。

金融庁が、何故こんなことをするかと言いますと、顧客本位の原則があるからなんです。
それだけなんです。
実際、先に始まった、投資信託業界では、インデックスファンドの手数料ゼロはもちろん、信託報酬も、どんどん下がっていますよね。
今後、IFAの収入が減ることがあっても、増えることはないでしょう。
その流れは、当然、保険業界にも入ってきます。
これは、日本だけではなく、世界的な流れだということは、覚えておいて損はないです。

結論は同じです
このテーマの結論は、私たちが言っている通りなんです。
ちゃんと、顧客に対して、デメリットやメリット、利用価値などを提供できる人になること、これに尽きるんです。
顧客本位の原則がある以上、そこからは逃げられないですから。
顧客本位を突き詰めると、給与が下がるということになるのなら、それは、顧客にデメリットやメリット、利用価値などを、ちゃんと与えられていないということなんです。
簡単な原理原則なんです。

だったら、デメリットやメリット、利用価値等を、ちゃんと与えられる人になれば良いんです。
とってもシンプルですよね。
商品販売や仲介だけに依存したビジネスは、そろそろ脱却を図るべきなんです。
もちろん、そこを否定するわけではないのですが、今回のとおり、金融庁が言う、顧客本位の原則が、今後もどんどん私たちに変革を迫ってくるでしょう。
外部の圧力で、不本意な変化を強いられるのか、自ら変化をして、なりたい自分になるのか。
人生100年時代の今こそ、考えないといけないことであり、あなたの決断次第で生まれ変われると思いますよ。

今日の記事はここまでとなります。
次回は別のお話しを書きますので、乞うご期待です。
今後とも何卒よろしくお願い致します。

